石山中学校
石山中学校(昭和32年築、現存)
北海道小樽市石山町4-1
石山中学校
構造は、鋼筋コンクリート造りで、教室(A棟―左側―)管理部門(B棟―右側―)の二棟に分かれ、A棟は地階に理科室とその準備室があり、一階から三階まで各階に普通教室が六教室設けられ、四階は図書室、音楽室、家庭科教室の特別教室に充てられている。校舎の内部は、中央部にらせん階段が屋上まで伸び、その周りに廊下、更に廊下を囲んで放射線状に教室が配置され、採光の悪い北向きの部分には石炭庫、物品庫、便所などが置かれる。A棟と渡り廊下をはさみ、A棟より一周り大きいB棟が建っている。B棟は、地階に特別教室(工作室)があり、一階には校長室、事務室、職員室、給食室、衛生室、宿直室、用務員室、湯沸室などの管理部門が置かれ、二階は屋内体操場(一九二坪)となっており、天井はドーム式で最高部は七メートルの高さをもっている。内部には広いステージと控え室が設けられてあり収容人員は約二五〇〇名、演劇の発表や、その他の集会場とした。
便所は衛生面を重視して、全階、市内の学校では初めての水洗式を採用、またその他の設備として、給食や石炭の運搬を能率的に行なうため、四階まで自動式リフトを設置、さらに、竪型ボイラーを据え付け、管理部門と各階便所の保温を図ることにした。
A棟の直径は二七メートル、B棟は直径二八・五メートルで、建て坪三六五坪(約一二〇五平方メートル)、延べ坪一二六五坪(約四一七五平方メートル)、教室数は普通教室一八教室、特別教室五教室の計二三教室となった。
この円形校舎の長所は、
① 採光率が高いので、教室に陽光がふんだんに入り、生徒の保健衛生上極めてよい。
② 敷地の利用度が非常に高いため、全体の坪数が節約でき、そのため屋外運動場は旧校舎時代より広く使える。
③ 生徒の動線(行動する距離的な面)が短かくて済む。
④ 坪当たりの建築費が安くできる。
などの特色を持っている反面、
① 教師が直射光線を受けるため、非常に疲れる。
② 騒音が高い。
などの欠点を併せ持っているが、この欠点を最小限にとどめるよう、設計に考慮が払われた。総工費は、約六〇〇〇万円である。
昭和三一年一一月一〇日着工
昭和三二年一〇月二〇日完工
『小樽市史 第8巻 (行政編 中)』(1994年)
『石中開校五十周年記念誌』(1997年)
『石山中学校閉校記念誌』(2002年)
『小樽市史 第8巻 (行政編 中)』(1994年)
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